デッサン教室の話と部活動のこと

3年半ほど前、市内のカルチャースクールのデッサン教室に通っていました。
二週間に一度、2時間の授業。半年ほど通いましたが、絵が上達したかどうかは今となってはよく分かりません。ただ、当時仲良くしていた同人活動仲間から「すごく絵がうまくなった!変わった!」と褒めてもらえたので、そうだったのなら通った甲斐はあったのかもしれません。

私は中学時代、美術部に入りたかったのですが、学校があまりに田舎すぎて(10年ほど前についに廃校になりました)、美術部そのものが存在しませんでした。
文化部は吹奏楽・茶道・科学部のみ。女子が入れる運動部はソフト・バレー・バスケ・卓球部だけ。選択肢はほとんどないのに、部活動は全校生徒強制参加という苦行のような学校生活。仕方なく吹奏楽部に入部し、「美術部を作ってください」と懇願する日々を送りましたが、結局叶わず、三年間サックスを吹いて終わりました。
しかも文化部に所属しているというだけで、運動部の子からは馬鹿にされる始末。正直、中学時代の部活動に良い思い出は一つもありません。

高校に入ると美術部は存在していたのですが、皆黙々と絵を描いていて(当たり前なんですが)、気軽に見学できる雰囲気ではありませんでした。何度か遠目に覗いて、「入部しても楽しくやれるんだろうか…」と悩みながら校内をウロウロしていたところ、強引に筝曲部の部室に連れていかれ、「今年5人入部しないと廃部になるから…!」と頼まれ、そのままお琴を弾くことに(いや、断ろう私)。
今ではお琴で使っていた爪もどこかに行ってしまいましたし、入部も流れに流されて…という感じだったので、高校時代の部活動にも特に思い入れはありません。
私の学生生活における部活動って、一体何だったのでしょう笑。

さて、話を戻します。
このデッサン教室は平日13時からの開催だったため、生徒さんはご年配の方ばかり。皆さんお喋りをしながら、思い思いに絵を描かれていました。
私のようにデッサンをする方、写真を参考に風景画を描いている方、お孫さんの似顔絵を描く方など、スタイルはさまざま。
先生は60代半ばの男性で、とにかく大のお話好き。デッサン中にアドバイス…というよりは世間話をしに、頻繁に教室内を回っています。

友人と絵を描きながらスカイプするのとは違い、実際に隣に立って(たまに座って)話しかけられるので、絵に集中するのも申し訳ない気がして、つい先生の方を向いてしっかり話を聞いてしまう。でも、聞いていると絵が描けない…。
授業時間は2時間。その後は別のクラスが教室を使うため、モチーフ類はすべて片付けなければなりません。
そのため、毎回スマホでモチーフの写真を撮り、家で続きを描いて、次回の教室で先生に見せてアドバイスをもらう…という流れでした。

ちゃんとした(という言い方は先生に失礼かもしれませんが)デッサンスクールに通ったことがないので比較はできませんが、美術系の大学に通っていた友人に話したところ、「さすがに絵を描いてる最中にそんなに話しかけてこないよ…」と困惑していました。
そういう疑問もあって、私は半年でこの教室をやめてしまいましたが、続けていたら今頃もっと成長できていたのかなぁ…と、今でもふと思い出すことがあります。

ちなみにこの先生、ただのお話好きなおじさんかと思っていたのですが、初回の授業で私の描きかけのデッサンを見て「絵をよく描いてるでしょ?」と一言。只者ではないな…と感じました笑。
さすがに「男性同士の絡み絵を描いてます!」とは言えず、適当にごまかしましたが、普段から絵を描いているかどうかって、教える立場の人からすると分かるものなんですね。

最後に、この教室で描いた絵を載せておきます。
しっかりデッサンをされている方からすれば鼻で笑われそうな作品かもしれませんが、よかったら見てやってください。